仏事まめ百科

ご先祖様を気持ちよく迎えるために 盆棚の飾り方

盆棚は精霊棚(しょうりょうだな)とも言われ、お盆にご先祖様をお迎えするために飾る祭壇のことをいいます。位牌を安置し、お供え物や故人の好物などを飾ります。盆棚の飾り方や名称などをご紹介します。

盆棚(精霊棚)

部屋の大きさに合わせた台を据え、ここに真菰(まこも)を敷きます。台の四隅に葉のついた青竹を立て、竹の上部にしめ縄を張ると祭壇になります。 ここに位牌、お盆の供物、故人の好物などを供えます。

また、供養膳には霊供膳を供えます。 盆棚を設けるのが難しい場合は、仏壇に盆飾りをするか、 仏壇の前や横に小さな机を置き、白布を掛けて盆飾りをしてもいいでしょう。

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① 素麺
② 昆布
③ ほおずき
精霊が迎え火や提灯の灯りを頼りに帰ってくるといわれることから、ほおずきを提灯に見立てて盆棚に飾ります。 また農作物の収穫が少なかった時代には、鮮やかな赤のほおずきをお供えすることによって、お供え物の不足を補う意味があったと言われています。
④ 生花
バラなどのトゲのある花は避けましょう。
⑤ なすの牛・きゅうりの馬(精霊馬)
なすときゅうりに足として棒を4本ずつ刺し、牛馬に見立てます。精霊があの世から帰ってくる時、この世から帰っていく時の乗り物とされています。 精霊が戻る13日は内側に、あの世に戻る15日(16日)は外側に向ける地方もあります。

※きゅうりの馬はご先祖様の霊が一刻も早く家に帰って来てもらうための早い乗り物で、なすの牛は帰る時にゆっくり帰ってもらうための遅い乗り物の意味と言われています。
⑥ 水の子
なすやきゅうりを'サイの目'にきざみ、洗った米を混ぜて、清水を満たした器に入れます。(地方によっては蓮の葉に盛ります) あの世で飢えに苦しみ渇いたのどに少しでもらくに通るようにとの祈りをこめたものです。
⑦ みそはぎの花
精霊花。灑水(洒水・しゃすい)と言って、閼伽器(あかき・お供えの水を入れる器)に満たした冷たくて気持ちの良い水を"水の子"に降りかける行為に、みぞはぎを使うそうです。 これは少ない食べ物を無限に増やすためとか、餓鬼が食べやすくするためになどと、言われています。
⑧ 夏の野菜・果物
百味五果(ひゃくみごか)といい、季節の野菜や果物などを含む「たくさんのおいしいもの」をお供えします。故人の好物を加えても良いでしょう。

簡単な盆棚の作り方

盆棚の作り方は、お住まいの地域によって慣習に違いがあります。ただ最近はマンション住まいなどの住宅事情で、大きな祭壇を作ることが難しくなっています。

***簡単な盆棚の作り方***

【用意するもの】
□ 経机や小机
□ 「まこも」や敷物
□ お供え物(季節の野菜や果物、故人の好物)
□ なすの牛、きゅうりの馬
□ 提灯
など

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仏壇の前に、経机や小机などを置き、「まこも」や敷物を敷きます。
お位牌をお仏壇から出して机の中央に安置し、お供え物、なすの牛やきゅうりの馬などをお供えします。
盆棚の脇には、盆提灯に灯りをともします。

送り火や迎え火は、おがらをほうろく(素焼きの皿)の上に積み重ねて焚くと、周囲も汚すことなく安心です。
おがらやほうろくは、スーパーや仏壇店で購入できます。

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