孫と学ぶ生活のしきたり

行水(ぎょうずい)とは?

暑い夏の夕方、庭先に出したタライ(最近ではビニールプール)にお湯を張って 行水をするのはとても気持ちのよいものですね。

この『行水』と言う言葉がお釈迦様の教えが書かれた『阿含経(あごんきょう)』と言うお経の中に出て来るという事を知っていましたか?

このお経の中では
『食事が終わった後に、手で水を汲み手や口を洗った』
と言う事だったのですが、後の人が少しずつ解釈を加えて
『お経を読む前に、手や口をすすぐ』
『神様や仏様をお参りする前に、水で身体を清める』
と言う風に変わっていったものと言われています。

更にお湯が使われるようになって、一般の人達にも広がり現在の意味になったと言う事です。

特に江戸時代には火事を恐れていた為に『銭湯(今のお風呂屋さん)』は沢山出来ましたが、一般の家庭にはお風呂がなく『行水』が盛んに行われたという事です。

ちなみに、火山国の日本では全国いたるところに温泉が湧き、日本人の温泉大好き・お風呂大好きは世界でもトップクラスだと言われていますが、日本で今のように『お風呂』が一般の家庭に作られるようになり、誰でもが毎日入れるようになったのは意外に最近のことなのです。