仏事まめ百科

喪中はがきを出す方

喪中には年賀状を控える。ごく当たり前に行われている"しきたり" ですが、その期間や範囲など、むずかしいところも少なくありません。仏事に関する電話相談を受け付けている「大野屋テレホンセンター」 にも、毎年、年賀はがきが売り出される頃になると、年賀欠礼に関する問い合わせが集中します。

忌中の心得

忌中や喪中のしきたりも、現在では、その多くが簡略化されているようですが、世間の目もあること。しきたりの基本は心得ておいたほうがいいでしょう。
たとえば・・・
結婚式や祝賀パーティ、落成式などの慶事(祝い事)には、たとえ招待を受けたとしても、少なくとも、49日忌までは見合わせたほうが無難でしょう。 神社への参拝や、お祭りへの参加も慎むようにします。また、喪中に年を越す場合には、門松、しめ縄、鏡餅などの正月飾りを控え、初詣や年始まわりなども控えるのが基本です。


喪中はがき(年賀欠礼)のあいさつ

年賀状を出さないというのも、喪中のしきたりの一つ。例年、年賀状のやりとりをしている相手には、年賀郵便の受付が始まる前までに届くように 「喪中はがき(年賀欠礼)」の挨拶状を出します。
なお、こちらからの年賀状は控えるけれど、いただく年賀状は、先方のご挨拶なのだから、素直に受け取りたいと いう場合には、松の内(一般的には一月七日)が過ぎてから、喪中であったので年賀の挨拶を失礼した旨を書き添えた寒中見舞いを出すようにしたら良いでしょう。


年賀欠礼(喪中ハガキ)

年賀欠礼(喪中ハガキとは)
『年賀欠礼』(いわゆる喪中ハガキ)は、親族に不幸があり喪中なので『年賀状』をご遠慮する旨のご挨拶状です。例年年賀状のやり取りをしている相手には、『年賀欠礼』の挨拶状を出しましょう。先方が年賀状を用意する前に届かなくてはいけませんので、遅くとも12月の上旬にはお送りします。

ここがポイント (1)前文挨拶(時候のご挨拶) (2)喪中のため年賀状を出さない (3)良い年をお迎えいただきたい 等をきちんと盛り込んだ文章が望ましいでしょう。


喪中はがき(年賀欠礼)を出す範囲

服喪期間にも明確な決まりがあるわけではありません。喪中はがきを出す範囲も、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応すべきでしょう。
故人との関係や、 相手との関係の親疎によっても、年賀欠礼の範囲は違ってくるはずです。たとえば仕事関係の相手に対しては例年どおり年賀状を出すということも 考えていいでしょう。年賀欠礼の通知は、だれかれかまわず出せばいいというものではありません。


あいさつの行き違い

喪中はがきを出していない人から年賀状を受け取った場合には、 喪中欠礼の挨拶を書き添えた寒中見舞いを出すようにします。


寒中見舞い

寒中見舞いとは
年末に親族にご不幸があったために『年賀欠礼』を出す余裕がなかったり、『年賀欠礼』を出さなかった相手から年賀状を頂戴してしまった時には、お正月が明けた段階で『寒中見舞い』を出します。

ここがポイント
(1)年賀状を頂いた御礼 (2)喪中であった為に年賀状を出せなかったこと をお伝えします。


年賀状を出す・出さない? の主な例

Q. 伯母が逝去
母の姉(私からすると伯母)が亡くなりました。
この時期、年賀状は喪中ではがきを出すのか迷っています。(伯母も結婚しているので姓は違います) 母は喪中にあたるのでしょうか?すると父や私も喪中になるのでしょうか?


A. 一般的には配偶者やご両親、お子様が亡くなった場合には1年間を喪中とし、喪中ハガキを出します。
祖父母・兄弟姉妹の関係ですと何時頃亡くなられたか、日頃のお付き合いの程度、故人と同居していたかどうか、地域や親戚間の慣習などによって喪中についての判断が異なってくるようです。
兄弟姉妹の服喪期間は、一般的に90日と言われています。
伯母様が亡くなられたのが11月であればお母様はまだ服喪期間中ですので、喪中ハガキを出すこととなります。 但しお父様につきましては、今回のご不幸が奥様側の事ですので通常通り年賀状を出されて差し支えありません。
またお子様につきましてはお母様と同様90日間の服喪期間がありますが、故人と同居していなければ、一般的にはお父様と同様に通常通り年賀状を出されて構いません。

Q. 夫の祖父が昨年の大晦日に逝去
昨年12月31日に主人の母方の祖父が他界しました。今年は、既に年賀状を発送した後でどうしようもなかったのですが・・・。
こういう場合、来年の年賀状は控えなければならないものなのですか?

A. 現在は喪中の期間についての決まりはなく、地域やご親族間の慣習によって異なります。 「太政官布告」を目安に考えると、お母様方のおじい様がお亡くなりになったときのお孫さんの喪中期間は90日ですので、既に喪は明けています。 またこれにこだわらず1年間を喪中と考えることもありますが、その場合も昨年の大晦日にお亡くなりになったのであれば、今年の年末で喪は明けることになります。
ですから来年の年賀状は、通常通りにお出しになって差し支えありません。
また今年の年賀状もお出しになっているとのことですが、だからといって今回年賀欠礼状を出さなくてはいけないものでもありませんので、その点は気にされなくともよろしいかと思います。

Q. 夫の祖父が10月に逝去
今年の10/11に主人の母方の祖父が亡くなりました。
この場合は喪中ハガキにするべきなのでしょうか?

A. かつての「太政官布告」によると、お母様方のおじい様がお亡くなりになったときの喪中期間は90日です。ですから10/11にお亡くなりになっている場合、年末年始は喪中にあたります。
しかし上記は決まりではありませんので、おじい様との日頃のお付きあいの程度や、同居か別居か、等によって、喪中ハガキを出されるかどうかをお決めになってよいかと思います。
場合によっては、ご親戚の方には年賀状を控え、それ以外のお知り合いやお仕事関係の方には通常通り年賀状を出すというような、柔軟な対応をされてもよろしいかと存じます。

Q. 取締役が亡くなった場合の会社としての対応
先月、会社の取締役が亡くなりました。
この場合会社としての年賀状は、どのように対応すべきでしょうか?

A.一般に取締役の方が亡くなられた場合、会社全体が喪に服されることはございません。 ただし会社の規模(ご親族のみで経営)や社内規定に沿って、新年のご挨拶を寒中見舞いに切り替えられてお出しになる会社もございます。
年賀状、年賀欠礼状は必ずしも太政官布告に沿ったものではありません。状況に合わせた対応をするようご注意ください。


喪中についての相談は

以上、喪中に関連する一般的なしきたりを紹介してきましたが、もちろん、しきたりは法律ではありません。しかし、そこがむずかしいところでも あるわけで、しきたりに従うにしても、しきたりを破るにしても、当人の社会人としての見識を問われることになります。ある意味では、 法律以上にややこしいといってもいいでしょう。 「大野屋テレホンセンター」には、メモリアルアートの大野屋が仏事にかかわる幅広いサービスを通して培ってきた膨大な情報が集約されています。年賀欠礼に関する質問や相談にも、原則と現状の両方を 踏まえたアドバイスをさせていただきます。