毎日、手を合わせるお仏壇。日々、目にしていながらも、お手入れの方法については、意外に戸惑うことも多いのではないでしょうか。
今回は、大切なお仏壇を、永く、きれいにお使いいただくためのお手入れの方法について、メモリアルギャラリー国分寺の秋山さんにお話を伺いました。

―― 仏壇のお手入れは、どの程度の頻度で行うのがよいのですか?
秋山:
できれば、簡単な拭き掃除などを毎日やっていただくのが良いと思います。ご飯やお茶などを毎日差し上げているかと思いますので、その際に一緒にお手入れしていただくのが理想です。しかし実際には、お仕事をお持ちであったり、家事や育児でお忙しいなど、事情もおありでしょうから、そうした場合には、1週間に1度ぐらいを目安にお手入れしていただくだけでも仏壇をきれいに保つことができます。

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―― 具体的には、どのようなお手入れをするのですか?
秋山:
ふだんのお手入れとしては、毛バタキなどを使って、溜まったホコリなどを取っていただくだけで結構です。
そして、お正月やお盆、春・秋のお彼岸の時期などに、水拭きをしていただくのがよいでしょう。水拭きに関しては、ふだんのお手入れの際に毎回やっていただく必要はありません。あまり水拭きの頻度が高いと、仏具などはかえってツヤがなくなってきます。節目節目で行う程度で十分です。
その際に注意したい点が2つあります。ひとつは、洗剤などを使う場合には、中性洗剤を水で薄めて、それに軟らかい布を浸して使っていただくこと。もうひとつは、水拭きをした後は、必ず乾拭きをしていただく、ということです。
仏壇は湿気が大敵なので、水拭きだけで終わらせてしまうと、傷みが早くなります。ですから、湿気を残さないように、必ず乾拭きしてください。

―― 仏具などは造作の細かいものもありますが?
秋山:
彫り物がある欄間などは、毛バタキだけでは十分にホコリが取れない場合があります。かといって、布で水拭きしたとしても、彫の細かい部分までは十分に拭ききれませんので、仏壇清掃用の専用のブラシなどを使っていただくのがよいでしょう。ただし、あまり力を入れて強くこすったりすると、木製ですので欠けてしまったり、傷をつけたりしてしまうので、あまり力を入れずに丁寧にブラシを当てていただく必要があります。また、仏壇をお掃除する際には、中に入っている仏具などは、事前に仏壇の外によけておくようにしてください。仏具をそのままにしてお掃除していると、ちょっとしたはずみで仏具に触れて落してしまって仏具が壊れたり、仏壇に傷をつけるということにもなりかねません。

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―― どの仏壇でも、同じお手入れでよいのですか
秋山:
基本的には、伝統型仏壇であっても家具調仏壇であっても同じお手入れで問題ありませんが、金仏壇の場合は、少々慎重なお手入れが必要です。金仏壇は、金に漆を塗ってあり、金箔も貼られていますので、ぞんざいなお手入れをすると、金箔がはがれてしまうようなことにもなりかねません。まず注意すべき点としては、金箔には絶対に触らないこと、それと、漆の部分についても水拭きをしてはいけません。乾拭き程度は構いませんが、それでも、粗い布ですと傷がついてしまうことがありますので、できれば毛バタキを使ってホコリをぬぐう程度がよいでしょう。
また仏具のお手入れについては、お位牌なども傷がつきやいすいので、できれば専用の布を使っていただくのがよいと思います。また、お位牌の場合、指紋がつきやすいので、指紋を残さないよう配慮することも大切なポイントです。
―― 仏壇の中でも、とりわけ汚れやすい箇所などありますか
秋山:
仏壇ではお線香やろうそくを使うことが日常的ですので、どうしても天井部分などにはススが溜まりやすくなります。また、天井部分だけでなく、障子戸の隙間などの細かいところにはホコリも溜まりやすいので、特に入念なお手入れが欠かせません。

仏壇のお手入れというのは、単にきれいにする、というだけのことではなく、それ自体がひとつの供養であると私どもでは考えています。ですから、できるだけこまめにお手入れすることを心がけていただきたいと考えています。
大野屋の店舗では、仏壇をお手入れするための様々なお手入れ道具なども扱っていますので、そうしたものをぜひご活用いただきたいと思います。

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Interview

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    秋山 夏恵(あきやま なつえ)
    大野屋に入社して10年目。これまでにご縁をいただいたお客様に感謝するとともに、これからご縁をいただくお客様のために、日々勉強しています。

※プロフィールおよびインタビュー内容は2014年9月時点のものです

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