いざ必要に迫られると、なかなか希望などを反映させにくいお葬式。
しかし、事前に"お葬式の準備"をしておくことで、遺族にも大きな負担をかけず、
またご自身が納得できるお葬式を執り行うことが可能となります。

哀しみにくれる中で、慌ただしく進めた葬儀には、悔いも残りがち

葬儀を執り行うに際しては、亡くなられた方の宗派や、参列者が何人ほどいらっしゃるのかの確認、そして葬儀式場をどこにするのか、ご遺族としてどのような葬儀にしたいと思っていらっしゃるのか、といったことから、祭壇をどうするのか、お料理をどうするのかといった細々としたことを担当の葬儀社と打ち合わせた上で、諸々の準備に入るのが一般的です。
多くの場合は、大切な方が亡くなられた直後から、そうした準備を短時間に行うことになります。しかしご遺族の方々は、例えば直前まで病院につきっきりで看病をなさっていたり、最期を看取られて哀しみにくれているという状況の中で、場合によっては、初めて会う葬儀社の担当と、そうした打ち合わせ・準備を進めなくてはならないわけです。精神的にも余裕がない状況のため、決めるべきことのほとんどを葬儀社に任せてしまうということになりがちです。
葬儀自体は滞りなく進みますが、最後に受け取った請求書で「頼んだ覚えのないものが入っていた」とか、「こんな豪華にするつもりはなかったのに、費用がかさんでしまった」といった不満や後悔を感じる方が決して少なくありません。

ご本人の希望が反映された満足できる葬儀のための"お葬式の準備"

このような葬儀での後悔をしないために、以前から大野屋では、お葬式に関する事前相談に力を入れてきました。もちろん、ご相談自体は無料です。 ご相談に来られるきっかけは様々です。例えば60代、70代の方ですと、ご高齢の親御さんがいらっしゃって、自分たちの葬儀の事も気になるけれど、まずは高齢の親の事を考え相談に来られたりします。あるいは親御さんのご葬儀の際に心残りになる部分があって、自身のご葬儀について予め準備しておこうと考えられる方もいらっしゃいます。特に最近では、自分たちが親の葬儀を出す際に苦労した経験から、子ども世代に苦労をさせたくないので、ご自身の葬儀のことを事前に決めておきたいと考えられる方が増えています。
事前に準備することの最大のメリットは、ご自身の希望を十分に反映した葬儀ができるという点にあります。遺影に使う写真をご自身で準備する、葬儀に呼んでほしい友人・知人などのリストを用意する、葬儀式場や祭壇などについて、ご自身で納得できるものに決められる、などです。

事前準備に欠かせない4つのこと

葬儀について事前準備をするに当たっては、おおむね4つのことをご確認させていただきます。
まず、宗派が何なのか、お寺さんにお経を上げてもらうのかどうか、ということをまず確認しておくことが必要です。菩提寺がある場合には、葬儀の時に必ずその菩提寺で戒名をつけていただくことになるでしょうし、お経を頂く仏式のお葬式にしなければ、納骨させてもらえない場合もあります。2つ目が人数ですね。葬儀の際に、どれくらいの人たちに声をかけて来て頂くか。比較的多くの方に声をかけるのか、身内だけで済ませるのかといったことを考えていただきます。3つ目が場所です。葬儀式場は自宅の近くと限られることはなく、参列者の交通の便を優先することもありますし、家族葬などの場合、地理的な場所よりもお部屋の雰囲気や広さが重要になることもあります。4つ目が予算です。
おおむね、この4つのことを考えておくことがとても重要なポイントとなります。

まずは情報収集。その上で、自分の目で確かめ、
葬儀社との相性を見極める

葬儀の事前準備のためには、葬儀社を決める必要があります。そのため、どの葬儀社に相談するのが良いのかについて複数の会社から情報を収集し、実際に担当者とお話をするなどして決めることが肝要です。葬儀式場などは見学できるのであれば、見学して確認することも重要です。葬儀社を決める際も、パンフレットなどの資料だけで判断するのではなく、実際に話をすることが重要です。事前に準備するメリットには、十分な時間がある、ということも挙げられます。どの葬儀社にお願いするか決めた後も、十分に時間をかけて、納得いくまで相談して話し合ってください。それが事前相談のメリットなのですから。
私どもでも、本当に何回も会って、納得できるまでお話をして、こういうご葬儀だったらいいと思えるところまでお話をします。お話ししたことは書面化しますし、お見積もご提示します。いざという時、一番大変なのはご遺族です。葬儀に際してご遺族の負担を軽減できるように、事前準備のお話合いには、とにかく時間をかけるようにしています。
また、お葬式の準備のご相談からはじまって、仏事に関する様々なご相談をいただくこともあります。大野屋テレホンセンターでも様々な仏事のご相談をお受けしていますが、普段から私どもとの関係性をつないでいただくことで、いろいろな面でお役に立てることも多くなると思います。

Interview

  • お客様相談室事前相談担当
    1級葬祭ディレクター
    三井 桂子(みつい けいこ) 
    仏事コーディネーター、お墓ディレクター2級を保有。葬儀の事前準備アドバイザーとして年間200件以上の相談にお答えしています。


※プロフィールおよびインタビュー内容は2015年4月時点のものです

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